ウインドウフィルムで、窓ガラスの「防虫」はできる?

飲食店、コンビニエンスストア、マンションのエントランス等、夜間に照明を入れる必要のある建物で、多くの方が悩まされているのが「虫」。煩わしい虫を寄せ付けないため、様々な防虫グッズが利用されていますが、実はウインドウフィルムもその手段の一つ。今回は、この「防虫フィルム」の機能、用途等について解説していきます。

走光性を持つ虫は、光の波長の中で、紫外線領域の一部の波長に反応する場合が多いのです。

紫外線はもちろん日光に含まれていますが、蛍光灯等も微量の紫外線を出しています。夜になると、部屋の照明以外に紫外線を発する場所がなくなるので、わずかな紫外線に集まってくるわけです。
紫外線は不可視光線ですから人間には見えません。UVだけをカットすることができれば、透明度等を損なうことなく防虫ができるということです。

ウインドウフィルムの多くは『UVカット』性能を持っています。それらの製品には、一定の防虫効果が期待できると考えられます。そして、とくに試験により高い防虫効果が検証された、防虫フィルムもラインナップされています。

【 用途 】

衛生管理が必要な様々な環境に活用できます。

●飲食施設  ●宿泊施設  ●病院等

※ご注意

防虫効果のある製品は、走光性のない昆虫には効果がありません。また、環境によって防虫効果に違いがあります。 フィルムの防虫効果は防虫対策の一助としてご活用ください。総合的な防虫対策については専門会社へご相談されることをお薦めいたします。

ウインドウフィルムによる防虫は、すべての虫について有効なわけではないこと。なぜなら、すべての虫が走光性を持っているわけではないからです。
具体的には、蛾やハエ、カメムシ、トビケラ、ユスリカ等には走光性があり、ウインドウフィルムによる防虫効果が期待できますが、ハチや蚊は走光性がないため、ほかの対策を講じる必要があるでしょう。
もう一つ、防虫フィルムは、紫外線をカットして、照明の光に虫が寄り付かなくするもの。殺虫するわけではありませんので、周囲のエリアにいる虫の数そのものを減らすものではないということにも注意が必要です。
防虫フィルムを貼って紫外線をカットできていても、建物の周囲に他の明るい場所がなく、相対的に明るいところには、やはり虫が集まってしまいます。
フィルムは防虫対策の一つとして大きな効果を期待できますが、総合的な対策のためには防ぎたい虫の種類を絞り込み、また防虫フィルムに加え、窓の近くに誘虫灯を設置するなど、ほかの設備や対策と併用しながらベストな方法を探ることで、効果は大きく高まります」